FEDERALIST No. 1. General Introduction 3
It has been frequently remarked that it seems to have been reserved to the people of this country, by their conduct and example, to decide the important question, whether societies of men are really capable or not of establishing good government from reflection and choice, or whether they are forever destined to depend for their political constitutions on accident and force.
・frequently:頻繁に
・reserve:
1〔+目的語+for+(代)名詞〕
a〔将来の使用またはある目的のために〕〈…を〉取っておく,使わずに[残して]おく.
b〈…を〉〔…に〕運命づける .
2〈席・部屋・切符などを〉予約する.
3a〈権利・利益・条約の適用などを〉留保する.
b〈判断・判決などを〉差し控える,遠慮する,見合わせる; 延期する.
・destine
1〈人・ものを〉〔目的・用途に〕予定する,運命づける 〔for〕.
2〈運命などが〉〈…と〉定める〈that〉.
(Weblio)
訳すと、
そのことは頻繁に述べている。それがこの国の人々を運命づけるように思える時、彼らの指示と例として、大切な質問を決めることによって。大切な質問とは、社会の人々が本当に可能か、もしくは良い政府を考慮と選択によってつくれるか、もしくは、つくれなかったとき、もしくは、彼らが永遠に運命づけられる依存することを、彼らの政治的な憲法の問題と力に。
(DeepLによる訳)
人間の社会が本当に反省と選択によって良い政府を樹立する能力があるのかないのか、それとも永遠に偶然と力に政治体制を依存する運命にあるのか、という重要な問題を決定するのは、この国の人々の行動と模範に委ねられているようだ、とよく指摘される。
DeepLの訳に沿って考えると、
人間の行動と、規範にゆだねられているようだ。ということから把握できるように、
人民に主権があり、一国の君主の影響力という要素がこの文の中では薄く、
このころの大統領の権威が今の大統領令を多発する力強い大統領(トランプ政権20日発足、100本の大統領令で「米国第一」日本経済新聞 2025年1月19日 11:00 [会員限定記事])
とは違うという時代背景がある。
そうすると、今になってこの文章を読むのは適していないかもしれないが、
今後の世界動向を把握する上でも引き続き訳し、都度、考える。
三日坊主を有言実行してしまい、申し訳なかったです。
追記
「人間の社会が本当に反省と選択によって良い政府を樹立する能力があるのかないのか」
と、
「それとも永遠に偶然と力に政治体制を依存する運命にあるのか」
という選択肢は、
対比になっていないのではないのかと感じた。
そこで、
この様な非対称の対比を行った意図を、
Gemini 2.0 Flash Thinking Experimentalに尋ねてみたところ、
以下の様な回答が出力された。
- 意味的な対比の強調: 形式的な完全性よりも、意味的な対比を強調することを意図した可能性があります。
- 前半: 「反省と選択」という、理性と能動的な意志に基づく政府樹立の可能性(能力があるのか、ないのか)。
- 後半: 「偶然と力」という、非理性と受動的な力に支配される政治体制への運命。
- 人間の認識の限界: 「人間の社会が本当に反省と選択によって良い政府を樹立する能力があるのかないのか」という問いは、人間の能力に関する根源的な問いであり、容易に答えが出せるものではありません。「あるのか、ないのか」という不確実性を含んだ問いかけは、人間の認識の限界、未来の不確実性を反映していると言えるでしょう。 一方、「永遠に偶然と力に政治体制を依存する運命にあるのか」という選択肢は、悲観的な未来を示唆しています。「運命にある」という断定的な表現は、人間の努力や意志では抗えない、避けられない未来であるかのような印象を与えます。 このように、一方に不確実性、他方に断定的な悲観論を置くことで、問題の深刻さ、そして人々に問いかけ、行動を促すという意図があったのかもしれません。
- 修辞的な効果: 形式的な完璧さよりも、修辞的な効果を狙った可能性があります。 もし、後半も「偶然と力に政治体制を依存する運命にあるのかないのか」とすると、文が長くなり、冗長な印象を与える可能性があります。また、問いかけの焦点がぼやけ、力強さが失われるかもしれません。 後半を「永遠に偶然と力に政治体制を依存する運命にあるのか」と断定的な形にすることで、悲観的な未来を強調し、読者に強い印象を与え、前半の問いかけ(人間の理性と能力への問いかけ)をより際立たせる効果を狙ったとも考えられます。
結論として
ご指摘の通り、この対比は形式的には不完全です。しかし、その不完全さには、
- 意味的な対比の強調
- 人間の認識の限界の反映
- 修辞的な効果の追求
といった意図が込められている可能性があります。形式的な完璧さよりも、内容の深さ、読者への訴求力を優先した結果、このような表現になったと考えられます。(Gemini 2.0 Flash Thinking Experimentalより、一部割愛)
ここからは私の意見かつ、補足になるが、2の人間の認識の限界の反映がこの場合適当なのではないのかと考えた。
理由としては、上記に挙げた選択肢の内、
前者は、「capable or not」を用いているように、余地を残した選択肢だが、後者は、geminiも述べているように、断定的な選択肢である。
また、このFederearilstの著者は、アレクサンダー・ハミルトン、ジェームズ・マディソン、ジョン・ジェイと推定され(Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88)、彼らは今後の政府に深くかかわっていくようですから、なおさら、後者の意味の方で、論を進めたくないはず。
このような、書き方により、読者の心理状況を筆者の意図する方向に誘導する試みには、感心した。
また、このような心理的誘導手法について、より詳細Geminiに尋ねたところ、
フレーミングを用いているという回答があった。
それが以下。
フレーミング (Framing): 著者は、政府の樹立という問題を、「理性と選択」vs 「偶然と力」 というフレーム (枠組み) で捉えさせるように誘導しています。 このフレーミングによって、読者は問題を特定の角度から認識し、特定の解釈を受け入れやすくなります。 「理性と選択」を肯定的に、「偶然と力」を否定的にフレーム化することで、読者を**「理性と選択」の重要性を強調する**という著者の意図に沿った思考へと導いていると考えられます。(Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental より一部割愛)
今でいうと、
「世界の中心国家としてのアメリカ」vs「自国第一主義のアメリカ」
ということになるだろうか。
今後も、このような引っかかったところを適宜AIに尋ねたいと思う。
参考文献
・Weblio
frequently:https://ejje.weblio.jp/content/frequently
reserve:https://ejje.weblio.jp/content/reserve
destine:https://ejje.weblio.jp/content/destine
・Gemini
https://gemini.google.com/app?hl=ja
・トランプ政権20日発足、100本の大統領令で「米国第一」
日本経済新聞 2025年1月19日 11:00 [会員限定記事]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN181XC0Y5A110C2000000/
・Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88